


さて、これまでさまざまな角度から祐天寺の魅力をご紹介してきたこのコーナー。
今回は基本にかえって祐天寺のみなさんの家のポスト、すなわち「祐便受け」を見ていこう。
そう、いつものことながら、ダジャレだ。というか、なにがどう「基本にかえっている」のか自分でもよく分からない。
でも、ポストは街の鑑賞ポイントとしてはオーソドックスなものだと思う。
まあ、とにかくご覧いただこう。


思いの外とても表情豊か
郵便受けなんてどれも一緒でしょ、とお思いかもしれない。それは間違いだ。ぼくも今回「祐便受け」めぐりをして驚きました。祐天寺だけでもこんなにいろいろあるものか。
その形、大きさ、チャイムボタンや表札との関係、色、などに注目するととてもバリエーション豊か。そして一日中見てまわると、「あ、これはすきだなあ」という祐便受けが分かってくる。いや、まあ分かってもしょうがないと言えばしょうがないんですが。
でもほら、面接とかで「好きな郵便受けのタイプは?」って聞かれることがあるかもしれないじゃないですかー。ないですかー。
■ なんでだか気に入った「口だけ」
で、さっそくそのぼくの「好きな郵便受けのタイプ」を紹介したい。
それはいうなれば「口だけ」のタイプ。通常「口だけ」のタイプは嫌われがちなものだ。ぼくなんかよく言われる。ほっとけ。しかし、郵便受けにおいては事情が異なる。口だけこそかっこいい。

いさぎよく、受け口だけが塀に。このミニマルな感じがたまらない。
いいよねえ。かっこいいよねえ。どうだ!
どうだ、と言われても困ると思いますが。何が言いたいのかというと、下のような「ボックスタイプ」とは違う、ということなのだよ。

これが世に言う、ボックスタイプ。
お分かりいただけたと思う。つまり郵便物を入れる口だけが塀にあり、届けられた手紙類を貯めておく胃袋部分は壁の内側にあるのが「口だけ」。上のような「ボックスタイプ」はその名の通り箱状の郵便受けが塀に取り付けられているもの。
「いや、それは見れば分かるけど、なんで『口だけ』のほうが良いのよ?」とお思いかもしれない。当然の疑問だ。
でも、自分でもなんでだか、分からない。
分からないまま、すてきな「口だけ」の祐便受けを引き続きご覧いただこう。

よく見るとしゃれた装飾が。このお家の方を存じ上げないが、そのすてきな口だけ祐便受けに思わずお手紙を差し上げたくなる。

まさに「石に苦労して穴を空けました。祐便受けのために」といった風情。シンプルで力強い祐便受けを前に、配達員の気持ちも引き締まることだろう。

ドアのすぐ横に年季の入った口だけ祐便受け。壁のテクスチャ、呼び鈴、ドアノブ、植物などと相まって一幅の名画のようだ。

木の塀に口だけの祐便受け。年季が入って絶妙のコンビネーションに。飼い犬は飼い主に似るというが、祐便受けも塀のテクスチャに似てくるのだろうか。

こちらも木の塀。このたたずまいにはかなりぐっとくる。口のしゃれたデザイン、そしてその左右が長年のお勤めでややくたびれ傾いている点もキュートだ。

こちらもどっしりとした塀。その重厚感に負けない堂々としたデザインの口だけ祐便受け。人生の師と仰ぎたい祐便受けだ。

上のものと比べるとかなり軽やかな祐便受け。こういう庶民派も良い。

虚飾を廃したシンプルな祐便受け。口だけ、かくありたし、という気もする。口だけタイプデザインのひとつの到達点といえよう。

こちらも上のものと同じ。シンプルなデザインは、塀の素材を選ばない。優秀な口だけの証といえよう。
こうやってたくさん並べられたのを見ていると、だんだん「おっ!確かに良いねえ、口だけ」とならないだろうか。ならないか。おかしいな。なってよ。
実は上の写真点数の数倍の口だけ祐便受け写真があるのだが、さすがにその全てを掲載するのは控えよう。ぐっとがまんだ。
ただ、口だけにも変わり種がいるので、それはご覧いただきたい。

これはかなり素敵だ!口のまわりの煉瓦の苦労を見ると、味わいもまたひとしお。

口だけ祐便受けといえば、これもその仲間といえなくもないが…
だいじょうぶでしょうか。みなさんついてきてますかね。まだまだ続きますよ。

[ 1 ] [ 2 ] [ 3 ] [ 次のページを見る ]


