Uほどう

祐天寺・壁の穴 3/3


■ 贅沢3段構えアナロジー

1段、2段とくれば3段ものが期待されるが、そう多くはない。そんななかで見つけた貴重な作品がこちらだ。



pic35

魅惑の3段構え。市松模様配置は穴のデザインに合わせたものか。部分をとっても全体も斜めを意識したデザイン。フラクタルである。うそ。



壁上からの植物の垂れぐあいも絶妙な作品。祐天寺アナライズで欠かせない逸品といえよう。



■ 変則的アナロジー


以下はやや変則的なアナロジーを見せるものたち。いささかトリッキーだが、アナライズ初心者にはこういうとっつきやすい作品もよかろう。



pic36

小憎いまばらな配置は、その穴デザインの特徴と相まって、スターウォーズに登場する戦闘機、スターファイターの群れに見える。見えませんか。



pic37

こちらは坂道の多い祐天寺らしいアナロジー。こういうのも良いね。



pic38

2種の穴デザインがせめぎ合う最前線。配置アナロジーも異なり、まさにせめぎ合っている。



pic39

壁自体はブロックというより石造りなので、上品すぎて面白味に欠けるが、墨痕鮮やかたったひとつだけ象徴的に開けた穴が素晴らしい。



■ 最後に、祐天寺の個性あふれる穴たちを



気がつけば3ページにわたって壁の写真ばかりだ。ここまで読んでくれた人がいるのかどうか心配だ。

さいごに、祐天寺のさらに個性あふれる穴たちをいくつか紹介して終わりにしよう。



pic40

いったいなにがあったのか。穴の置かれた意外に過酷な環境をしのばせる作品。

pic41

こちらは埋められてなおその意匠を主張する穴。



pic42

これもなにがどうなってこうなったのか気になる穴。下の3つのものもよく見れば中心部にセメントが流し込まれている。



pic43

老いてなお気骨あるものは賞すべきかな。おそらく穴の右側が破損したので応急処置をした結果かと思われる。もともと他にはない絶妙の位置に穴を置いたすばらしいアナロジーなので、末永く頑張っていただきたい。



pic44

これもどういう経緯でこうなったのか気になる作品。半分以上埋まりつつ、なおこんにちはしているのがいじらしい。



line



■ 壁見るだけでも祐天寺は楽しい



いかがだったでしょうか。正直、壁の穴ばっかり集めてもなあ、と思ったけど予想以上に楽しかったです。ぼくだけでしょうか。いやいや、そんなはずない。

これは祐天寺が、古い住宅と新しめの住宅街と、商店街もあれば坂道もある、といったぐあいにバリエーション豊かな環境なためだと思う。次回は何にしようかなー。



pic45

じつはこういうものもありましたが。これはなー、ブロックじゃないしなー。




line

[ 前のページを見る ]  [ 1 ] [ 2 ] [ 3 ]  




ライタープロフィール大山顕

大山顕

1972年生まれ。

line

団地サイト「住宅都市整理公団」総裁。

line

ニフティ「デイリーポータルZ」の連載ほか、
NHK-BS「熱中時間」のレギュラーも勤める。

line

主な著書は「工場萌え」「団地の見究」(共に東京書籍)、「ジャンクション」(メディアファクトリー)、「高架下建築」(洋泉社)など。


バックナンバー

祐天寺巡見記/気になる物件たち

帰ってきた装テン

2010.07.02

祐天寺巡見記/気になる物件たち

祐天寺巡見記/気になる物件たち

2009.10.08

祐天寺・祐便受け

祐天寺・祐便受け

2009.09.10

祐天寺インスタレーションフェスティバル2009

祐天寺インスタレーションフェスティバル2009

2009.08.11

祐天寺・ドア紋

祐天寺・ドア紋

2009.07.31

祐天寺巡見記/装テン篇(後篇)

祐天寺巡見記/装テン篇(後篇)

2009.07.16

祐天寺・壁の穴

祐天寺・壁の穴

2009.06.26

祐天寺巡見記/装テン篇(前篇)

祐天寺巡見記/装テン篇(前篇)

2009.06.10

祐天寺・愛すべきカドイシ

祐天寺・愛すべきカドイシ

2009.05.29

祐天寺巡見記/ペッ景篇

祐天寺巡見記/ペッ景篇

2009.05.15

祐天寺・漁師の休息【後編】

祐天寺・漁師の休息【後編】

2009.04.30

祐天寺巡見記/ピクトさん篇

祐天寺巡見記/ピクトさん篇

2009.04.15

祐天寺・漁師の休息【前編】

祐天寺・漁師の休息【前編】

2009.04.15

祐天寺調査団発足!

祐天寺調査団発足!

2009.04.15

イラスト