


■ 贅沢3段構えアナロジー
1段、2段とくれば3段ものが期待されるが、そう多くはない。そんななかで見つけた貴重な作品がこちらだ。

魅惑の3段構え。市松模様配置は穴のデザインに合わせたものか。部分をとっても全体も斜めを意識したデザイン。フラクタルである。うそ。
壁上からの植物の垂れぐあいも絶妙な作品。祐天寺アナライズで欠かせない逸品といえよう。
■ 変則的アナロジー
以下はやや変則的なアナロジーを見せるものたち。いささかトリッキーだが、アナライズ初心者にはこういうとっつきやすい作品もよかろう。

小憎いまばらな配置は、その穴デザインの特徴と相まって、スターウォーズに登場する戦闘機、スターファイターの群れに見える。見えませんか。

こちらは坂道の多い祐天寺らしいアナロジー。こういうのも良いね。

2種の穴デザインがせめぎ合う最前線。配置アナロジーも異なり、まさにせめぎ合っている。

壁自体はブロックというより石造りなので、上品すぎて面白味に欠けるが、墨痕鮮やかたったひとつだけ象徴的に開けた穴が素晴らしい。
■ 最後に、祐天寺の個性あふれる穴たちを
気がつけば3ページにわたって壁の写真ばかりだ。ここまで読んでくれた人がいるのかどうか心配だ。
さいごに、祐天寺のさらに個性あふれる穴たちをいくつか紹介して終わりにしよう。

いったいなにがあったのか。穴の置かれた意外に過酷な環境をしのばせる作品。

こちらは埋められてなおその意匠を主張する穴。

これもなにがどうなってこうなったのか気になる穴。下の3つのものもよく見れば中心部にセメントが流し込まれている。

老いてなお気骨あるものは賞すべきかな。おそらく穴の右側が破損したので応急処置をした結果かと思われる。もともと他にはない絶妙の位置に穴を置いたすばらしいアナロジーなので、末永く頑張っていただきたい。

これもどういう経緯でこうなったのか気になる作品。半分以上埋まりつつ、なおこんにちはしているのがいじらしい。

■ 壁見るだけでも祐天寺は楽しい
いかがだったでしょうか。正直、壁の穴ばっかり集めてもなあ、と思ったけど予想以上に楽しかったです。ぼくだけでしょうか。いやいや、そんなはずない。
これは祐天寺が、古い住宅と新しめの住宅街と、商店街もあれば坂道もある、といったぐあいにバリエーション豊かな環境なためだと思う。次回は何にしようかなー。

じつはこういうものもありましたが。これはなー、ブロックじゃないしなー。

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1972年生まれ。

団地サイト「住宅都市整理公団」総裁。

ニフティ「デイリーポータルZ」の連載ほか、
NHK-BS「熱中時間」のレギュラーも勤める。

主な著書は「工場萌え」「団地の見究」(共に東京書籍)、「ジャンクション」(メディアファクトリー)、「高架下建築」(洋泉社)など。


